答 申 第 3 号 平 成 2 5 年 5 月 1 0 日
常陸太田市長 大久保太一 様
常陸太田市情報公開・個人情報保護審査会 会 長 根 本 洋 治
常陸太田市個人情報保護条例第38条に基づく諮問について(答申)
平成25年3月18日付太高発第252号により諮問のありました下記の件に ついて、別紙のとおり答申します。
記
別紙
答
申
1 審査会の結論
常 陸 太 田 市 長 が 、「● ● ● ● 町 ● ● ● ● ● ● ● ● 分 介 護 予 防 支 援 経 過 記 録 ● ● が訴えていた不満の部分」について、不開示とした決定は、妥当である。
2 異議申立ての趣旨
(1)平成24年12月12日、異議申立人(以下「申立人」という。)は、常 陸太田市長(以下「実施機関」という。)に対し常陸太田市個人情報保護条 例(以下「本条例」という。)第15条の規定により、「● ● ● ● 町● ● ● ● ● ● ● ● 分介護予防支援経過記録 ● ● が訴えていた不満の部分」(以下「本 件請求文書」という。)の開示請求(以下「本件請求」という。)を行なった。 (2)平成24年12月26日、実施機関は、本件請求に対して、本件請求文書 は、本人以外のもの情報が含まれること及び開示することによって今後の事 務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ、若しくはその発見を困難 にするおそれがあるとして、不開示決定(以下「本件処分」という。)を行 い、申立人に通知した。
(3)平成25年2月22日、申立人は本件処分を不服として、実施機関に対し て、本件処分を取り消し、本件請求文書の開示を求める異議申立てを行なっ た。
(4)異議申立ての理由は、以下の通りである。
①老人虐待等の本人が訴えていた不満等、直系親族が知りたいのは当然であ り、正当な権利である。その内容を知る事が出来ないのは不当である。 ②三親等親族以内は情報開示の対象であり、規則を守るべきである。
③老人虐待の内容を直系親族に公開しなければ、加害者に対して適正な対応 がとれず、被害を増大する恐れがあるため。
一般的な個人保護法とは区別されるべき。
⑤情報が開示されなければ、虐待内容を正確に知る事が出来ず、最適に被害者 を救う選択肢が狭められる。
⑥虐待をした加害者の情報が直系親族さえ開示されなければ、加害者が有利に 危害を加え続ける事になる。抑制力という観点からも直系親族には情報公開 をすべきである。
⑦仮に、威圧等によって遺言書が作成された場合等、不法行為によって成立し た加害者の権利利益だけが守られ、本来受益すべき者の権利利益が奪われる のは不当である。直系親族に対して情報を公開する事は、このような不法行 為を防ぐ事が出来る。非公開のままであれば不法行為を発見出来ず、加害者 側の不当な利益だけが守られる事になる。真実を明らかにして情報を公開す る事が、総ての受益に対して平等で公正である。むしろ、積極的に公開して 不正行為を暴くべきである。
⑧情報公開する事によって、加害者側の正当な権利利益を侵害する恐れ等考え られない。
⑨老人虐待を防ぐという、国の方針・社会の潮流からも直系親族には情報を開 示すべきである。
⑩何より弱い立場で苦しんでいる老人を想像して、救い出す方向に努力すべき である。
⑪被害者が死亡した場合、本人が死亡しているので、介護活動等の支障は全く ない。
3 実施機関の主張及び不開示決定の理由
本条例第14条において開示請求できるものは、本人、本人が死亡した場合 においては本人の法定相続人又は相続財産管理人にある者を、本人とみなす と定められていることから、直系親族という規定はない。
本条例第16条第2号の規定により不開示とした。
( 2) 本人の自己情報に関する開示請求、本人が死亡したときは、本人の法定相続 人が開示することができることになっており、三親等親族以内の規定はない。 今回請求している申立人は、法定相続人であり開示請求しているが、上記 (1)の理由により不開示とした。
( 3) 加害者と言っているが、傷害罪・暴行罪などが確定したわけではなく、あく までも推測でのはなしであり加害者にはあたらない。
( 4) 本条例上に老人虐待に関し適用除外の規定はない。また、今回の相談につい ては、明確な虐待の事実が確認されたわけでもないことから市として虐待の 判断をしているわけではない。
( 5) 上記(3)のとおりであり、被害者、加害者ではなく両者の支援が必要であ ることからの対応をするものであり、情報開示することが被虐待者を救うこ ととは考えられない。
( 6) 傷害罪・暴行罪などの犯罪にあたるものと、情報公開とは別の問題である。 ( 7) 不法行為の権利利益については、相続人等の利害関係人で解決する問題であ
り、情報公開とは別である。
( 8) 本件請求文書については、本人以外の者の情報が含まれ、その者の権利を侵 害するおそれがあることから、本条例第16条第2号の規定により不開示と した。
( 9) 虐待が深刻化しないよう家族の協力を得ながら高齢者及び虐待者の支援を 行うことは必要であるが、情報開示をすることとは別である。
( 10) 今回の相談についても、生命の危険があるような虐待ではなかったことから、 相談者からの要望もあり、介護サービス利用につなげることによって状態が 悪化しないよう関係機関と連携しながら関わってきている。
本件請求文書は、相談者からの相談を受け、市および地域包括支援センターが ケース受理し、その後の訪問経過や対応内容および地域包括支援センターから市 への報告・協議・対応の経過記録が記載されたものである。
本件請求文書には、相談者から説明を受けた内容と、その家族の状況確認を行 った内容が主なものであり、本人以外のものの情報が含まれ、その者の権利利益 を侵害するおそれがあることから、本条例第16条第2号の規定に該当するもの である。
また、本件請求文書を開示することになれば、今後、市が行う事務に関し、正 確な事実の把握を困難にするおそれ若しくはその発見を困難にするおそれがあ ることから、本条例第16条第7号アにも該当するものである。
以上の理由から、本件請求文書は不開示とした。
4 審査会の判断
(1)本件請求文書の内容について
相談者からの相談を受け、市が相談内容や対応・経過などを記載した経過記 録と、地域包括支援センターにて対応した、訪問調査記録や市との連絡・協議・ 対応の経過が記録されているものである。
本件請求文書には、相談者の相談内容のほかに、実際に本人宅を訪問し、家 族などから状況を聞取りした内容が記載されており、本人以外の情報が含まれ ているものである。本人以外のものの情報は不開示情報に該当するものであり、 該当部分のみを開示とする一部開示も検討することは考えられるものの、本件 請求文書から判断すると、本人以外の情報を除いたとしても、全体の経過等か ら特定の個人を識別することができる情報が記載されているもので、本条例第 16条第2号に該当する。
また、本件請求文書は、相談内容・訪問経過・対応検討など事務遂行上に重 要な役割を果たすものである。
必要であり、相談者や当事者との率直なやりとりが重要となると解される。 これらの情報が開示されることとなると、聞取りや訪問などを行う際に、相 談者や当事者および職員が開示されることを恐れて、当たり障りのない情報の 提供や記載をするなど、記録が形骸化することが予測されるものであり、今後 の事務遂行に支障が生じるおそれがあるもので、本条例第16条第7号アに該 当する。
(2)結論
以上のことから,冒頭の審査会の結論のとおり判断する。
《参考》審査会の経過
年 月 日 経 過
平成25年3月18日 ・実施機関から諮問書を受理